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記事に猟奇的、同性愛的、表現が含まれることがあります。

魔術師シモン・アンサス

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「すみませーん、ちょっと道をお聞きしたいのですが…」
「わたくしどうも田舎者でして…都会の事情には疎く…」
「んーあの能力!欲しい…欲しいですねえ…」
「強い魔力に惹かれてやってきてしまいました…ここはどこでしょう~」

シモン・アンサス

精霊 男

いつも目を閉じ、笑みを浮かべている三十代くらいの男。いまはもうない数百年前に存在していた村の出身で、本人は300年ほど生きている。視力はとうの昔に失っており、魔力で見えている。開いた瞳の色はかなり綺麗な緑色をしており、斜視である。顎周りで切りそろえた金髪、自分で調達した草の加護がついた自然由来の服装をしている。
内面は典型的な精霊、口煩く説教じみたことも言う。しかしどんな相手にも敬語で物腰やわらか。相手に悪い印象も与えないが良い印象も与えない。全体的に胡散臭い。他人に気を使わない利己的な部分があり、どこか人間性に欠けているが見た目ではわからない。
能力というか使う技は自分の何かを引き換えに相手の能力を奪う、既に何人かにこの能力を使っており、使う度に自分の視力や臓器を犠牲にしているが、無くなるとどこかしらから調達してくる。そこも魔力や加護でなんとかしている。いまの体の臓器はほとんど自分のものではない。
本人はヴィランだという自覚はない、ただ強い者たちの集まりがあると聞いて、隙あらば能力を奪ってやろうと考えている。
ふつうにドレスタニアの街角でお茶したり、アンティノメルで迷子になったり、ライスランドで能力者の品定めをしたり、長ったらしい人生を満喫している。

過去小話

 精霊だけで形勢された少人数の村の一人、元々は草花の加護を受ける精霊の青年。ひとりでいることを好み、自分から孤立し勉学に熱心で真面目だが、暗い性格だった。自分の才能への自信が無く、努力家でもある。そんなかれは村一番の優秀な魔術師であるマトリカリアと仲良くなる。マトリカリアは半陰陽であり、この村では昔から半陰陽のものは受ける加護は強く、生まれつきの魔力が高いと云われている。シモンの目には、村の連中に慕われているマトリカリアの姿がいつも煩わしかった。三種の加護を持つ立派な精霊の姿にかれは嫉妬していたのだ。シモンは自分からマトリカリアに近づいて心の隙に付け入り、恋人となった。マトリカリアが安心してかれの手に堕ちると、シモンは禁忌に手を出し、恋人を殺して能力を奪った。シモンは自分の恋人と引き換えに能力を手に入れたのだ。それからこの禁忌の魅力に取り憑かれ、いまもなお誰かの能力を奪い続けている。

 マトリカリアは幼い頃から親にも恐れられ、同級生から好奇の視線を感じていた。村の元老たちは口を揃えて言う「神の子」と、村人たちは讃えてはくれていたが、よそよそしく、友人や隣人として迎えてくれる者は誰ひとりいなかった。そんな中、綺麗な緑色の瞳をした青年がかれに話しかけてきた。いつもひとりでなにかしらの研究などをしているシモン・アンサスだった。シモンは気さくに話しかけてくれ、暇さえあれば共に遊戯や研究に勤しむ仲になっていた。ある日、シモンが自分に対する愛を告白してくれた時はかれは本当に心に安らぎを感じ、また人に対する愛情を知った。自分の奇妙な身体も受け入れてくれた。マトリカリアにとって、人生のなかで最も幸せな時間だった。かれらが寝台を共にした夜、シモンはかれを後ろから抱きすくめて言った「僕には夢がある」と、どんな夢かと問おうと、恋人の顔を覗き込んだ。いままでになく真剣な表情だった。マトリカリアは恋人の緑の瞳に見蕩れていると、首に手がかけられるのがわかった。自分の首にシモンの手がくい込んでくるのがわかる。どうして、かれの銀色の目から同じ色の涙が溢れでた。「ずっとこうするつもりだった」シモンの声には生気がない。息ができず、もう脳で考えることができなかった。肺に残っている酸素でマトリカリアは言った。
「愛してる」
 マトリカリアは目を閉じた。



よくヴィランにかなしいバックつけちゃダメって言うけど、本人開き直ってたらいいと思う。かなしい物語みたいですけど、シモン本人は悲しいと思ってないからそんなかなしい話でもない。マトリカリアはかわいそうだけど。

こいつはチートでも何でもなく背後からいきなり金属バットで殴ると死にます。

シモン・アンサス、シモニアの語源になった魔術師シモンから名前を取りました。あとは古代ギリシア語でシモン(冬)・アンサス(花)、ロウバイの学名、シモナンサスからも。花言葉は「ゆかしさ」「慈しみ」「先見」「先導」「優しい心」など

マトリカリアはお花の名前マトリカリア(ナツシロギク)から、マトリックス(古ラテン語で子宮)とかマーテル(母)とかそういう婦人病に効くからそっから由来されてるけど妊婦には使っちゃダメってわけわかんねえな…花言葉は「楽しむ」「沈静」「深い愛情」「集う喜び」「忍耐」「寛容」「恋路」いろいろ